全国の陶器にはいろいろなものがありますが、有名なものであれば、誰でもその名前を聞いたことがあるでしょう。
それぞれの特徴は知らなくても、これらの焼き物が何で出来ているのかは大体予想がつくと思います。そうです、焼き物は土を原料として作られています。
焼き物の原料となる土には、粘土と陶石があり、粘土は陶器を作るために使われ、陶石は磁器を作るための原料となります。
●粘土
粘土は陶器をつくるための陶土に使われます。
しかし粘土はそれだけで作ると、乾かしたり焼いたりするときに大きく収縮してひび割れたりゆがんでしまうことが多くあります。 それらの欠点を補うために、珪石(けいせき)と長石(ちょうせき)を混ぜて使います。
珪石は土の粘り気を調整する役割を持ち、長石は1000度以上の高温で周囲の成分を溶かしてガラスを作ります。
●陶石
陶石は磁器を作るための磁土の原料となります。
主成分は珪酸(けいさん)で、これは白磁鉱と呼ばれる石英粗面岩(せきえいそめんがん)を微粒子状態にまで砕いた白い粉状のものです。
しかし主成分である珪酸が、成形した形を維持する性質を邪魔してしまうため、これに良質の粘土を混ぜて使います。
ただ、数ある全国の陶器・磁器の中には、粘土を混ぜなくても磁器の原料として適しているものもあり、それが熊本県の天草石です。
また、焼き物全般を広い意味で陶器と呼ぶのと同じように、焼き物作り用に調整した土のことを単に粘土と呼ぶこともあります。
●釉薬
全国の陶器はそれぞれの土の違いや工法、釉薬の違いによって特徴が異なってきます。
そこで、ここでは釉薬についても少しお話をしたいと思います。
全国の陶器で有名な町を訪れて、焼き物のお店に入って器を手にとってみても、例えば緑色のとろりとした色がかかっていたり、真っ黒だったり、図柄があったり、と茶碗ひとつをとってもどれも同じではありません。
これは形もさることながら、かけてある釉薬が異なるからです。
釉薬とは焼き物にかけるうわぐすりのことで、陶磁器の表面にくっつけたガラス質の皮膜のことを言います。この釉薬をかけて焼くことで吸水性をなくすと同時に装飾性を与えます。
釉薬の成分はガラスの成分の一つである長石(ちょうせき)、アルカリ性溶液、浸透性のないアルミニウムなどが含まれています。
釉薬にもいろいろあり、色での分類で言うと、緑釉(りょくゆう)、黄釉(おうゆう)、褐釉(かつゆう)、黒褐釉(こっかつゆう)などがあります。
緑釉は鉛緑釉と銅緑釉があり、成分は違いますがどちらも緑系の色を示します。
黄釉は灰釉(かいゆう)という灰を原料とした釉薬を高温で溶かすと灰の成分が黄色になるという方法です。
茶色系の褐釉は、鉄釉という鉄分から色をとる釉薬から取り出したりします。
例えば、「緑がかっているから織部かな」と、織部の特徴が緑釉にあるとこなどを知ると、また焼き物を見るのも楽しくなってくるでしょう。